これを受けて日本政府は、歴史認識問題で日本に反省を求めた潘基文国連事務総長の発言について事実関係に乗り出した

具体的な点には言及しなかったが「侵略の定義は定まっていない」とした安倍晋三首相の発言などを念頭に置いているとみられる

韓国の外務省で国連総長の潘基文氏は「日本政府と政治指導者は自らを深く顧みて、国際的な未来を見通すビジョンを持つことが必要だ」と述べ、日本政府に注文を付けた

国連事務総長は「国連憲章」に基づき、国連の地位を損じないように中立的な行動が求められる

国家間が対立する問題で、国連事務総長が一方の態度に問題があるとの認識を強い表現で示すのは異例のこと

日本政府としては、潘氏の発言に神経をとがらせるのは「中国と韓国の歴史観が正しく、日本の歴史観は間違っているとの印象を国際社会に与えかねない」との警戒感を抱いているため

国連の代表が国連事務総長であり、組織運営に関する業務と、国連加盟国における紛争に際しての調停や諸問題への発言が主な任務

国連事務総長は通常、発展途上国からしか選出されない。それは強大な権力をを特定国の思惑通りにさせないため

かつて台湾が国連申請した際に、国連加盟申請を「中国は一つ」と申請を却下。それ以外にも、縁故採用や最近ではようやくシリアの化学兵器の調査に乗り出すなど、潘基文に対する批判は多い

国連の数ある機関は、それぞれに異なった、そして時には対立する職務を担っているため、そもそも初期時点で機能不全に陥っている

第２次世界大戦の5つの戦勝国を常任理事国にし、それらに拒否権を与えたため、いずれかの国が拒否すると議論が前に進まない

国連の役割は、国家間の利害調整により最悪の事態を避けること。欠点は多いものの、第二次世界大戦前の国際連盟と比べると圧倒的に機能している