【ビジネス】Google社が導入している『20%ルール』とは?

Google社が導入している20%ルールについてご紹介します。

FC2USER903128XLS さん

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20%ルールとは

日本で知られている”20%ルール”、英語だと”20% Time”というらしいのですが、勤務時間の20%は、本来の業務とは別に、自分独自のプロジェクトに使ってよろしい、というグーグルの社員特典

つまり、週5日のうち1日は自由研究にどうぞ、みたいなもんですね。

この制度から、GmailやGoogle News、AdSenseなどが生まれたとされ、グーグルの自由な社風と技術者優遇を象徴するものとして広く知れ渡りました

20%ルールが作られた背景

優良企業が衰退していくのには共通のパターンがある。それは顧客の声に耳を傾け,既存製品・技術の改良を行い,さらなるシェア向上を目指す「持続的インベーション」に集中してしまうことに原因

革新的技術による「破壊的イノベーション」が生まれても,それは自らのビジネスモデルを破壊するものであり,かつ当初は量産している既存技術の方がコストパフォーマンスが良いため,成功体験におぼれた優良企業ほど革新を受け入れにくい

そのため「破壊的イノベーション」は既得権益を持たないベンチャー企業の登場により普及することがほとんどだ。一方優良企業は顧客ニーズを超えた「持続的イノベーション」を供給し続け,「破壊的イノベーション」に主役の座を奪われる結果となる

実際に我々の身の回りでも常に破壊的イノベーションがトップ企業を衰退させている。

書籍内で紹介されているハードディスクをはじめ,デジタルカメラ,ゲーム機器の変遷,携帯電話の登場など枚挙にいとまがないほどだ。

またこれはハードウェア技術に限ったことではない。音楽や出版などのコンテンツ産業では,今まさにメディア革新による産業構造の変革がおきつつある。

そこで、Googleでは20%ルールが採用されている

そもそもGoogleの「20%ルール」は義務であり,その成果は人事評価の対象となるものだ。つまりGoogleは真剣に20%からの革新的イノベーションを期待しているのだ。

そして「本業以外の業務」の意味するところは,既存ビジネスモデルや製品の破壊を暗黙的に意図している。

例えばGoogle WaveはGoogleの貴重な資産であるGmailを破壊するイノベーションだ。そのような技術が毎日のように生まれ,社内での実験使用を経た後に,Google Labs,さらに正式サービスへと淘汰・進化がすすんでゆく。

シンプルに言うと,Googleは8割のパワーで「持続的イノベーション」を開発し,2割のパワーで「破壊的イノベーション」を創造しているわけだ。

しかし、今その20%ルールが・・・

「Quartz」の8月16日付の記事では、グーグルの企業文化においてこの理念は「死んだも同然」だとされている

現在のグーグルでは、従業員がプロジェクトの承認を取る必要があったり、通常の週間労働時間に組み込まれるのではなく、別の時間で行わなければならない

同社は、従業員に取り組んでほしい製品をすでにたくさん抱えている。いま必要なのは、さらなるアイデアよりも、いまあるアイデアを素晴らしいものにすることだ

採算がとれるかどうかにフォーカスをあてられることは、20%ルールの(少なくとも理論上の)敵だと論じている。また、そうした人たちの多くが、20%ルールは死んだのではなく、ただ大部分のチームで使われていないだけだと主張している。

20%ルールはできるだけ多くの新しいものを考え出し反復しようとしていた企業に、一定の事業目標をもたらした。グーグルは、ずっと昔にこのモードを卒業したのだ。

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