安倍晋三首相は1日夕、官邸で記者会見を行い、平成26年4月に消費税率を現行の
5%から8%に引き上げることを正式に表明した。「消費税率を法律で定められた通り
現行の5%から8%に3%引き上げる決断をした。社会保障を安定させ、厳しい財源を
確保するため待ったなしだ」と述べた。
安倍首相は記者会見で、消費税率8%引き上げを決断したことに、「最後の最後まで
悩んだ。熟慮した結論だ」と述べた。決断の理由として各種の経済指標が改善したことを
挙げ、デフレ脱却や財政再建、成長を底上げする経済政策に同時に取り組む意欲を強調した。
また、「社会保障を安定させ、厳しい財政を再建するため、財源確保は待ったなしだ」
と述べ、「経済再生への自信を取り戻す。国の信認を維持し、社会保障制度を次世代に
しっかりと引き渡す。これらを同時に進めるのが私の内閣に与えられた責任だ」と述べた。
増税分で得られた税収の使途では、「社会保障に全額使う」と明言。法人税の実効税率
引き下げには、「国際競争に打ち勝つため、真剣に検討を進めなければならない」と訴えた。
一方、首相は消費増税に伴い12月に策定する経済対策は「5兆円規模になる」と指摘。
復興特別法人税は「1年前倒しでの廃止を検討する」と表明。「廃止が賃金上昇につながって
いくことを踏まえ、12月中に結論を得たい」と述べた。
平成27年10月に消費税率を10%に引き上げると定めた消費税増税法の扱いについては、
「改めて経済状況などを総合的に勘案し、判断時期も含めて適切に判断したい」と述べた。