の仕事での喜びは、病気に苦しんでいた動物が治ったときでしょう。
　動物は人間のように、お腹が痛いとか、苦しいとか、何処がおかしいか話してはくれません。しかし、表情やしぐさなど身体で色々と訴えています。

ひじょうにやっかいな病気を苦労しながら情報を集め、推理して動物の病気の原因を究明し、治療して症状が改善したときの達成感は他の仕事ではなかなか味わえないものです。

動物の命を預かるという大きな責任とプレッシャーとの戦いの日々ではありますが、「ありがとう」という言葉が心の支えにもなっています。

「日々忙しくて大変だけれど、動物に癒されている」という声も聞きます。動物の診療をするなかでは動物が苦しむ姿を目の当たりにしたり、残念ながら助けられない命に向き合ったりすることも多くあります。だからこそ、大きな責任感をもち、命の尊さを感じながら動物と触れ合うことができるのです。

幼い頃から夢みてきた獣医の仕事を辞めるわけにはいかないと。しかし、耐えても耐えても、頑張っても頑張っても、動物病院の労働環境が改善されることは一向にありませんでした。

動物愛護センターに来た犬を殺処分しなくてはならないときかもしれません。

研究のための実験動物であるマウスを安楽死するときかもしれません。

自ら命を奪うこともあれば、どれだけ頑張っても救えない命がある。

獣医師、とくに動物病院で働く獣医師の給与は決して高給であるとは言い切れません。

昇給もないまま、残業代も払われないままであれば、将来に不安を感じることも否めないでしょう。

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