範囲の制限はありません。ただし信託法において「未成年者、成年被後見人、被保佐人は受託者になれない」と定められています。また業者が受託することも禁止されています。
家族信託の疑問を考えてみよう
家族信託はメリットが多いものです。
高齢化に伴って、家族信託を検討する家庭もあるでしょう。
今回は、家族信託の疑問点や費用、できないことなどについてまとめてみました。
受託者には信託法上、様々な義務が課せられています。
上記の信託財産の分別管理もそうですし、他人の物を預かって管理・処分を行うわけですから、自分の物を扱う以上の注意義務があります(これを、『善管注意義務』と言います。
家族信託を利用する上で、良く税制上のメリットを聞かれる事があるのですが、家族信託を利用する事自体に節税の効果はありません。
司法書士や弁護士などの専門家に信託内容を設計してもらうコンサルティング費用です。
自身で信託法を勉強して信託内容を設計すれば、専門家へ支払うコンサルティング費用はかかりません。
しかし、専門家の関与なく家族信託を有効に実行することは、非常に難易度が高いので現実的には難しいでしょう。
公正証書化の代行費用とは、これらの煩雑な手続きや作成当日の同行を専門家に依頼する費用です。
専門家が同行してくれれば、安心して家族信託の契約書を公正証書にすることができるでしょう。
この費用は専門家によって様々ですが【10万円~15万円】と想定しておきましょう。
公証役場で公正証書を作成するときには、公証人手数料を払わなければなりません。公証人手数料は、信託財産の額などによって変わります。一般には、信託財産の額が5,000万円くらいなら4~5万円程度、1億円くらいなら6~8万円程度です。
信託分については、不動産固定資産税評価額の0.4%の登録免許税がかかります。ただし、土地については租税特別措置法により、0.3%の軽減税率が適用されます。
信託財産たる不動産に関する損失は、信託財産以外からの所得と損益通算することや純損失の繰り越しをすることはできませんので、注意が必要です。
また、信託契約を複数に分けた場合も、それぞれの信託契約をまたいだ損益通算もできませんので、家族信託の設計にあたっては、その点にも精通した専門家や税理士等にご相談の上、慎重に検討すべきです。
家族信託は、医学業界でいうところの“最先端治療”にあたりますので、医者なら誰でも外科手術できるとは限らないのと同様、弁護士なら、司法書士なら、公証役場の公証人なら、誰にでも相談できるという訳ではありません。
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