手形割引(てがたわりびき)とは、満期前の手形を第三者へ裏書譲渡し、満期日までの利息に相当する額や手数料を差し引いた金額で換金することである。手形割引を依頼したものを割引依頼人、手形を割引いたものを割引人、割引かれた手形のことを割引手形(わりびきてがた、略称は割手)という。
手形割引の特徴は?メリットやデメリットについて
満期前の手形であれば、少しお得に換金できるかもしれません。
手形割引の特徴を知って、うまく活用してみてはいかがでしょう。
手形割引の金利は、年率3.9%から15.0%と幅があり、振り出し元の企業の信用度によって変わります。上場、大手、優良企業の場合は3.9%から10.0%ほどですが、その他の一般企業になると10.0%以上となることが一般的です。
手形割引は、手形を担保にした融資と見なされていますので、多くの場合手形割引には引き受け可能な上限額が定められています。手形の期日以前に上限金額に達してしまった場合には、以前に依頼した手形が決済されるまで、手形割引を依頼することができなくなります。
一般的に金融機関では手形割引を一種の融資としているので、割引率は手形自体の信用ではなく、手形の持込人の信用によって決まるもの。そのため、多くの中小企業では、審査に通らず、割引を受けられない状態となっています。
割引依頼人の経営・財務状況がよい場合は、よい条件で手形割引に応じてもらえる可能性が高く、銀行を選ぶ方が良いといえるでしょう。
依頼後も、手形割引による現金化は即日ではなく数日かかることが多いようです。
その他、割引枠に上限があるので、手形の金額によっては満額現金化できない可能性があります。
手形割引業者では即座に資金化が可能であるため、緊急の場合のニーズに応えてくれます。
手形割引にあたって、あらかじめ必要書類を揃えて問い合わせを行えば、即日審査し、現金を受け取ることも可能です。
ただし、郵送での取引になる場合、業者に手形が到着した当日での振込になるのが一般的です。
手形は振出日から期日までの期間が60日から150日程度の期間となるため、必要な資金調達額の割合からすると金利コストは非常に少なくて済みます。 例えば、100万円の残存期間が90日の手形割引を年率5%で実行すると割引料は12,328円となり額面に対して約1.23%程度となります。
通常の銀行融資や事業者金融からの借入には、金額が大きくなったりすると連帯保証人が必要なケースが多くなっています。 しかし、手形割引の場合はほとんどのケースで連帯保証人は必要ありません。手形の振出人の調査によって手形の現金化が可能になるためです。
手形が不渡りとなった場合には、借入人(当社)が手形の振出人に代わって返済しなければならないため、借入人の信用力も審査の対象となりますが、証書貸付や手形貸付と比較すると審査は通りやすいといえます。
デメリットは自社の信用力が審査されるので、経営が赤字である場合には手形貸付によって資金調達をするのは困難になるという点です。
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