交通事故で起こりうる後遺症解説

交通事故では、打ちどころが悪いと後遺症が残ってしまう可能性があります。また、事故後すぐには気付かず、時間が経ってから症状に気づくケースも多いです。今回は、交通事故で発症する可能性が高い症状について解説していきます。

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低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)

脳脊髄液減少症とは、脳と脊髄せきずいの周りを満たす髄液が少なくなることにより、頭痛・めまい・首の痛み・耳鳴り・視力低下・全身倦怠感などのさまざまな症状が現れる病気です。「低髄液圧症候群」と呼称される場合もあります。

・脳脊髄液減少症は交通事故の後遺症として起きる場合がある

軽微な外傷や交通事故などの強い外傷と関連が挙げられます。また、手術における麻酔手技のひとつとして腰椎穿刺ようついせんしと呼ばれるものがあります。これは、腰の骨に当たる腰椎から針を指し、脊髄周辺に麻酔薬を注入することで痛み止めの効果を期待する手技です。この手技によって髄液が漏れ出るきっかけをつくった結果、脳脊髄液減少症を発症することがあります。

・具体的にどんな症状がある?

 座ったり立ったりすると、重力の影響で脳が下に沈み、頭痛などが起きます。痛みで15分間以上まっすぐ起きていられないほどですが、横になると重力の影響がなく、うそのように症状が消えるのが特徴です。

強い頭痛が横になると消え、起きているとめまい、耳鳴り、目の見えにくさ、倦怠けんたい感がひどくなるという特徴

いわゆる“むち打ち症”は、追突や衝突などの交通事故によってヘッドレストが整備されていない時代に首がむちのようにしなったために起こった頚部外傷の局所症状の総称です。

・具体的な症状は?

典型的な症状は、首の痛みやしびれ、肩や背中のコリ、腕の痛みなどですが、頭痛や耳鳴り、めまい、吐き気などをともなうケースもあります。事故の状況・被害者の年齢・体質などによっても発生する症状の内容や程度が変わってきます。

・むち打ちの症状がある場合は、整形外科へ

交通事故後にいわゆる“むち打ち症”が疑われる場合は神経学的所見を含む診察所見および病状によってレントゲン撮影やMRIなどの精査が可能であることから、整形外科医の診察を受けることをお勧めします。

上肢・下肢機能障害

・上肢機能障害

上肢とは、一般的な広い意味では、肩関節と肘関節、手関節(手首)の3つの関節(腕の部分)と手指のことを指すことが普通ですが、交通事故の後遺障害の場面では、これとは少し異なる意味になります。

交通事故の後遺障害等級認定においては、上肢の範囲は一般的な意味より狭められていて、手指は含まないとしています。そこで、上肢機能障害は、肩関節と肘関節、手関節(手首)の上肢3大関節に障害がある場合だということになります。

・下肢機能障害

関節の強直(主要運動が複数ある場合、いずれの主要運動も強直している必要がある)
関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態にあるもの(主要運動が複数ある場合、いずれの主要運動も麻痺している必要がある)
これに近い状態にあるものとは、他動で可動するものの、自動では健側の可動域の10%程度以下になったものをいう。
人工関節・人口骨頭を挿入した関節の可動域が健側の2分の1以下に制限されているもの(主要運動が複数ある場合、複数のうちの一つの主要運動が健側の2分の1以下に制限されていれば足りる)

関節の可動域が健側の2分の1以下に制限されているもの(主要運動が複数ある場合、複数のうちの一つの主要運動が健側の2分の1以下に制限されていれば足りる)
人工関節・人口骨頭を挿入した関節の可動域が健側の2分の1以下までには制限されていないもの

高次脳機能障害

 認知(高次脳機能)とは、知覚、記憶、学習、思考、判断などの認知過程と行為の感情(情動)を含めた精神(心理)機能を総称する。病気(脳血管障害、脳症、脳炎など)や、事故(脳外傷)によって脳が損傷されたために、認知機能に障害が起きた状態を、高次脳機能障害という。

脳外傷の中では交通事故が最も多い受傷原因です。他に高所からの
落下や、暴行などによって脳損傷を引き起こすことがあります。
脳外傷の特徴としては、損傷部位が広範囲に及ぶため、
障害も複合的に発症する場合が多いようです。

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