実は、小売電力の自由化はすでに2000年から部分的に実施されています。
新電力会社の登場のきっかけにもなった、小売電力の自由化は実は2000年から部分的に開始されました。部分自由化によって、企業に対して電力を供給するサービスを提供する地域電力以外の会社が登場しました。
既存の大手電力会社である一般電気事業者(現在、北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、 関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力など)とは別の、特定規模電気事業者(PPS:Power Producer and Supplier) のこと
電力の小売サービスは、昔は地域に点在している電力会社が主体になっていました。しかし、電力の小売自由化が全面的に解禁されたことによって、大手の電力会社以外の電力会社が、電力の供給サービスを家庭向けに開始しました。
すでに説明した通り、新電力は電気の販売のみを行います。発電や送電は、今まで通り発電事業者・送電事業者が行いますので、販売店を変える、つまり新電力に乗り換えることで電気の供給が不安定になったりすることはありません。
出典 新電力とは?新電力と電気の契約をしても本当に大丈夫?
昔は定められた大手の電力会社しか電力の販売は許されていませんでした。しかし、大手の電力会社以外の企業でも、自由に電力を販売することができるようになった現状を電力自由化と言います。
まず事実として、新電力の電気料金が安いということを示しておきます。資源エネルギー庁の電力小売全面自由化の進捗状況(2017年7月7日)(P.7)によると新電力は従来の電力に比べて、販売単価が約4%安くなっています。これまでの規制料金の単価が22.2円でしたが、新電力は0.9円安い21.3円に下がっています。
新電力はある程度ターゲット層を絞って電力を供給することによって、小規模な設備で運営できるようになっています。また、管理する範囲が狭いので人件費も安く済みます。管理費や人件費といった費用が安く済むので、その分電気料金も安くできるのです。これが、電力自由化によって電気料金が安くなる仕組みの一つです。
大手の電力会社は、電力を多く使う時にショートしないようにするためなどに設備投資を行っている分コストがかかっていることから電気料金が高くなってしまいます。しかし、新電力はターゲットとする利用者の層を絞ることで、設備投資などの費用を抑え安く電気を供給しています。
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