「改葬」というのは、いったんお墓や納骨堂へ納めた遺骨を、別のお墓や納骨堂へ移し替えることです。お墓の引っ越し(改葬)を行う場合には、「遺骨と石碑を一緒に移動」、「遺骨だけを移動」、「遺骨の一部を移動(分骨)」、という3つから希望にあった方法を選ぶことになります。
お墓の引越しで負担を軽減~無事に引越しを行うための手順~
ご先祖様が眠るお墓を管理することは大切なことですが、お墓が遠くにある場合は管理が難しくなります。少しでも負担を軽くするために、近くにある霊園に引越することが可能です。。お墓の引越しに必要な手順を調べたので、お墓を移すことを考えている人は目を通してみてください。
両親からお墓の使用権を継承した人は、これからお墓の管理をする義務があります。しかし、お墓がある霊園が遠いと、何度も足を運ぶのは大変です。それを解決するには、自宅の近くにある霊園に引越しすることです。
厚生労働省の統計によると、全国の改葬件数は2000年代に入ってから全体的にじわじわ増えており、ここ数年は毎年8万件前後実施されている。
家族に負担をかけたくない
今後、家族にお墓の管理を任せると負担が大きくなるというケースです。昔とは経済的な事情が変わったという家もあれば、単純に子供の数が減ったので1人あたりの負担が大きくなったという場合もあるでしょう。
承継者がいない
家庭によっては子供がいなかったり、自分より先になくなってしまうということも珍しくありません。
また子供がいたとしても女子だけだった場合には、たいていの場合は他家に嫁いでしまうため、やはりお墓の承継者がいないといった事態が生じます。
お墓を移そうとするなら、まずは必要な書類を用意して手続きをします。すぐに引越しができるわけではなく、今現在お墓がある場所と、新しくお墓を移す場所で書類を用意して、市役所に提出しないといけません。
1.新規墓地の確保
まず、新しい墓地を確保し、「受入証明書(=永代使用許可書)」を発行してもらいます。
2.既存墓地の手続き
既存墓地の管理者に、「埋葬証明書(=納骨証明書)」を発行してもらいます。
遺骨の引き取り
事前に日時を決めて、今のお墓(移転元)に「改葬許可証」を提示し、遺骨を引き取ります。 このとき、古いお墓の魂抜きの供養をすることもあります。その場合はその手配も必要です。
※「改葬許可証」の発行手続きと遺骨の引き取りを一日で行う場合は、管理者や遺骨を取り出す石材店と、当日の段取りを良く打合せておくことが大切です。
新しいお墓が完成するまでは、引き取った遺骨は自宅に安置するので大切に扱うようにしましょう。骨壺が割れないように、安全な場所に置くべきです。
お墓が完成すれば、最後に納骨して終わりです。
新しいお墓へ納骨
新しいお墓に埋葬する日時を決め、納骨します。
この納骨式の際に「改葬許可証」を移転先の墓地管理者へ提出します。
納骨の申し込みは事前に済ませておきましょう。
新しいお墓に納骨。開眼・納骨供養をおこなう
墓前で「魂入れ」「建碑式」「奥津城開き」など宗教・宗派に則った儀式を行い、遺骨を納骨します。納骨時には下記書類が必要になります。
必要な書類 改葬許可証 墓地使用許可証
お墓の継承者だから、親族に何も相談せずに墓じまいをしたり、親族全員に墓じまいの合意が取れないまま墓じまいを行うと、信頼関係を失ったり疎遠になるなどのトラブルに発展してしまいます。
また年配の方は墓じまいに消極的な傾向があり「先祖に失礼」と言う考え方をするため、なかなか合意が得られないこともあるようです。
血のつながった親族同士でのトラブルを解決しないまま、改葬を行なうことは避けた方がよいでしょう。
親族の方それぞれに想いがあり、大切にしているお墓です。事後承諾ではなく、早い段階で相談し、全員が納得できる方法を見つけてください。
お墓の承継者だけで決めるのではなく、親族も交えて話し合い、しっかりと合意を得ておくことが大切です。新しい墓地を決定する際も同様に、皆が納得できる地域を選び、お墓参り等に支障を来さないよう配慮します。
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