パーキンソン病は、脳内の神経伝達物質の1つであるドーパミンが不足し、手足のふるえ、ぎこちない動作、小刻みの歩行などの症状があらわれる進行性の病気です。ドーパミンの不足は、脳の黒質(こくしつ)という部分の神経細胞が減少するために起こりますが、その原因はまだ分かっていません(※1)。
人口10万人あたり100~120人の患者さんがおられます。発症年齢は50~60歳代で日本では男性よりも女性のほうが多いとされています。家族性(遺伝性)は5-10%で、大半は非遺伝性です。
運動症状は、パーキンソン病の発症初期からみられる特徴的な症状で、診断において最大の手がかりとなります。特徴的な症状は、静止時振戦(せいしじしんせん)、無動(むどう)、筋固縮(きんこしゅく)、姿勢反射障害(しせいはんしゃしょうがい)の4つです。
自律神経の異常
便秘
初期からあらわれ、90%以上の患者さんにみられる
起立性低血圧
立ちくらみ など
排尿障害
夜間に何度もトイレに起きる
尿が漏れてしまう など
精神・認知の異常
うつ状態
不眠
何をしても楽しくない など
認知症
計画をたてることがおっくうになる など
医師が患者さんに、「手足の震えや歩きにくさなどの症状がいつごろからあり、どのように進行したか」などについて質問します(問診)。
次に、医師が患者さんの腕や足を動かして、筋固縮や姿勢反射など、パーキンソン病に特徴的な症状があるか調べます(神経学的診察)。
ここまでの診察でパーキンソン病が疑われる場合には、MRIやSPECT (スペクト)による画像検査で脳を詳しく調べます。2014年1月からは、新しいSPECT検査が保険診療で実施できるようになりました。
体は定期的に動かすことで、機能が維持されたり向上したりします。リハビリテーションはまた、認知機能にも良い影響があるとされています。ベッドの上でできること、テレビを見ながらできること、家事の合間にできること、散歩のように気分転換になるものなど、さまざまなものがありますので、リハビリテーションを自宅で毎日続けてみましょう。
まだ初期症状の段階。もしくはまだ病院で診察を受けていない。
軽度の罹患者、副作用の影響はでていない方はこちらへ。東京にある投薬しながらリハビリ治療を行う病院を紹介しています。
パーキンソン病が軽度の場合には、今後の症状進行に伴う運動機能の低下を緩和するためのリハビリテーションや運動療法ができるかどうかを確認することも大切です。
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