黒の礼服のことをブラックフォーマルウェアと呼んでいます。

哀悼の意を表す黒色はきちんとした印象を与えるのであらたまった席にふさわしいです。

特に、葬儀や法事など弔事関連に着用するのがマナーとされています。

喪服としてのブラックフォーマルの装いは、式典の大小や機会、立場によって３段階の格式に分かれます。

最も改まったものが正喪服、次に順喪服、略喪服と言われます。

[正喪服]
・シンプルで肌を露出させないデザイン。
・色は黒に限る
・光沢のない素材
・喪主、親族、近親者など改まった立場の方にふさわしい

[準喪服]
・正喪服に準じた装いで、その時々の流行を取り入れても可
・黒が基本
・一般的な葬儀・告別式、一周忌までの法要などの会葬者にふさわしい

[略喪服]
・派手にならないシンプルな装い
・黒に限らず、グレーや紺などの無地感覚のもの
・急な弔問、通夜、三回忌以降の法要など

一枚で美しい装いが決まるワンピースは、ブラックフォーマルの基本スタイル。お腹を締めつけることなくゆったりしているので、多少サイズが変わっても大丈夫。自分好みのものを見つけやすいのも魅力です。前開きのデザインなら着脱しやすく、妊娠や出産が重なりやすい30代でも安心です。

生地の色やデザインなどと統一した洋服のセットのことを「アンサンブル」と呼びます。似たようなもので「セットアップ」もありますが、セットアップはアイテムを別々に着ても良いもののことを指します。アンサンブルは一緒に着ることが前提なので、上下で同じ素材を使っていることがほとんどです。

スカートが苦手な方、脚を出したくない方でも安心なのがパンツスーツ。ただし、略礼装となるため親族の葬儀の際は避けましょう。パンツスーツを着用する場合は、胸元が開きすぎない黒のカットソーやブラウスを組み合わせてみましょう。合わせ方次第でお祝いの場でも使えるので便利です。

冠婚葬祭の際に着る改まった装いを、礼服と言います。礼服の中でもとくに黒のものを総称して「ブラックフォーマル」とも呼ばれるようになりました。

喪服も礼服という大きなカテゴリーの一つになります。そのため、名前が違うだけで同じものと思う方も多く一般的には「ブラックフォーマル＝喪服」と考えられています。

男性の場合、喪服とブラックフォーマルには特に違いはなく主に礼服と考えネクタイを白や黒に変えて冠婚葬祭で着ることができます。

しかし、女性用のブラックフォーマルの中には、慶事用や弔事用の礼服として販売されているものがあります。

黒をベースとした結婚式用や卒業式用といったフォーマルスーツとして使えるものや、慶弔用の装いとして「お葬式にもハレの日にも着られる」と、販売されているブラックフォーマルがあります。

しかし、慶弔用として1枚で着まわすことがマナーとして良いことかどうかは意見が分かれるところでもあります。どちらが正しいのかということは正式には決められていません。