がん細胞の浸潤が進んでいった先に、血管やリンパなどがあると、その血管を破壊して内部にまでがん細胞が到達し、血流やリンパの流れに乗って移動してしまうことがあります。
転移してしまった癌は治療することができる
癌と聞くと、不治の病という認識を持つ人がいます。
しかし、転移してしまった癌でも治療をすることは出来るのです。
今回は転移した癌の治療についてまとめてみました。
悪性腫瘍となった細胞は、周囲の正常な細胞から栄養を吸収して破壊し、どんどん巻き込みながら大きくなっていきます。
初めは、内臓や皮膚などの表層部分にあったがん細胞が、正常な細胞を飲み込みながら皮膚の内部や内臓壁の奥へとじわじわと広がっていくのですが、この状態を特に“浸潤”といいます。
健康な人であっても、1日に5000個ものがん細胞が発生していると言われていますが、自らの免疫機能によって、体外へ排出しているので、すべての人が重大な病気として進行するわけではありません。
しかし、年齢や生活習慣、ストレスなどの要因が重なった時に、1つのがん細胞が、こぶのように膨れ上がり、悪性腫瘍として大きく成長していくことがあります。
日本人の国民病・肝臓がんの転移の現状とは?
発症件数が多く、日本人の国民病のひとつにも数えられるのが肝臓病。肝臓内では特に転移が多く、切除手術をしてもとりきれずに再発してしまうケースが非常に多いのが特徴です。
ほかの臓器から流れ込んだり、全身へ流れ出す血管が多く集まっているため、転移を起こしやすいという難点もあります。
ある程度まで転移リスクが予想できる、胃の転移癌
胃癌は、転移先がある程度限られている上に、事前に検査によって転移するリスクを予測することができます。そのため、胃がんが発見された時点で、転移を防ぐような処置がされることが多いようです。
通常はリンパ節、腹膜播種、肝転移が多いため、ここでもその3種類を取り上げます。
化学療法・放射線治療による温存療法
乳癌が転移した場合は、一般には予後が悪いと言われています。乳房内での転移は比較的治療成績はいいのですが、遠隔転移の場合はかなり難しいと考えられています。
また、放射線治療や抗がん剤治療により、乳房内の転移でも切除を避けられる可能性があります。
抗がん剤が良く効くことが多いのも特徴です。ほとんどの抗がん剤は水溶性なので、血液中を移動するがん細胞にはかなり効果があると言われています。
一般的に静脈に乗って転移するので、大腸がんの場合肝臓への転移が多く、腎がんでは肺に転移することが多いのはその為です。
リンパ管とは、免疫の機能がある場所です。
なので、普通は異物が入り込んでもすぐに退治されてしまうはずですが、がん細胞はその免疫の機能を持つT細胞などの攻撃をかいくぐって転移したということになります。
また、抗がん剤はほとんどが水溶性なので、大部分が脂であるリンパ管には効きにくいということもやっかいな転移と言われている理由の一つです。
胃がんや肺がんなどでよく見られるやっかいな転移です。
胃がんの場合、大きくなったがん細胞が胃壁を突き破って、腹膜に広がっていく「腹膜播種」というがんになることもあり、肺がんの場合、胸膜を破って胸膜の表面にがん細胞が散らばる「胸膜播種」というがんになることもあります。
いずれも保険診療では治しにくいやっかいながんです。
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