ここ数年、市民や旅行者を震え上がらせているのが、資産や所持金の没収です。
犯罪者からの没収だけではなく、「あやしい」という容疑だけで、一般人も莫大な金額が没収されているのです。
アメリカでは、犯罪を犯したことがあるかの有無に関係なく、ほとんどの地域での警察官は規定により、所持品を押収することができます。
警察官が怪しいとおもった人物の所持品が、犯罪に使われるかもしれないと推測し判断しただけで押収できるのです。
アメリカの場合はクレジット社会だから多額の現金は犯罪目的だと疑われやすいというのもあるのかも。
米国では、市民財産の没収(Civil Asset Forfeiture)と呼ばれる制度があり、政府が正当な法的手続きなしで個人の資産を没収できる。
法の執行機関や警察署などは没収資産で利益の90%を維持することができ、それを維持するために、警察署はこの法律を推進しアメリカ国内で多く発生しているそうです。
数年前から大きく取り上げられるようになったこの問題。2015年には、ニューヨーク市警察が有罪を証明せずに没収した金額だけで、850万ドル(約10億円)が計上されています。
アメリカの警察が2015年に市民から没収した金額は、アメリカ国内の盗難、強盗を合わせた金額より多い。
民事であるため推定無罪は機能せず、刑事裁判でないため州選弁護人もつかない。物品を没収された人は、没収物が正当な手段で得られたもので、自分に属することを裁判で証明しなければ取り戻せない。
そのためにかかる弁護士費用などは所有者が持ち、時間も資産も失うため、多くの人が泣き寝入りしているのが現状です。
隣国のカナダが警告を出すほどなので、日本の旅行者も、特に現金を多く持つことは避けたほうがいいようです。
現金、トラベラーズチェック、有価証券など、その金銭的価値が1万ドルを越えるものをアメリカに持込むあるいはアメリカから持ち出す場合には、税関でその申告をしなければなりません。
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