岡本太郎はとにかく偉い。「芸術は爆発だ」って言ってるけど、結局それは誰も理解できなかった。 というか、理解できたなんて言うと違うって言い返されるし、要するに理屈がなくて誰にも文句を言わせない。もう存在自体が芸術家なんだ。
オレの下司な推測になっちゃうけどさ、中上健次は売れる小説、売れる小歌をいくらでも書けたんだろうが、その正反対の小説を求め続けてさ、だから体の芯にこたえたんじゃないかと思う。だから中上健次には誰も文句をいえないっていうのは、一番無理なことをやったんだから。
出典 こんな時代に誰がした!
下手な芸人の勘違いということでは、田中真紀子(略)なんかは、まさにそうだった。振る舞いは、完全にウケを狙ってやってたもの。しかもそれが稚拙で、空振りばかりなんだ。(略)まるでドサ回りの芸だね。芸的には未熟そのもの。
出典 悪口の技術
共産主義なんかとっくに壊滅してるのに、俺たちは共産党だ、名前も変えないって言い張ってる。 なんかツチノコ取りの名人みたいなもんだよ。「ツチノコはまだいるんだ」って。
出典 おまえの不幸には、訳がある!―たけしの上級賢者学講座
もっともらしいことを言うだけで、やることなすこと全部ダメ。弱者の味方っていいながら、東京の道路を歩道橋だらけにしたのはどこのどいつだって。
出典 おまえの不幸には、訳がある!―たけしの上級賢者学講座
ひばりさんがおいらのファンだっていうんで、北野屋を訪ねて来てくれたんだ。 だけど、もうハナから「勝負あった」って感じだったね。 当時はおいらも一応売れてたんだけど、ひばりさんの前に出ると、素人にさせられちゃうんだ。自分で自分を素人扱いしちゃうんだよ。(略)なんかもう全然格が違う。同じ芸能界の人間って感じじゃないんだ。ひばりさんはそれくらいの凄さがあった。
出典 おまえの不幸には、訳がある!―たけしの上級賢者学講座
ジャズミュージシャンの薬好きってのもパターンがあって、チャーリー・パーカーのひそみにならって自分もってやつが多いけど、パーカーなんてのは自分の中で戦いがあって薬を打たなきゃしょうがないから打っているんだよ。戦いもロクにしないで打っちゃうから単なる薬好きで終わっちゃう。
出典 こんな時代に誰がした!
人気があるってことと20年スターを続けるってことは全然別ものなんだ。武道館を一杯にした人気者はおニャン子だなんのっていくらでもいるけど、一瞬、武道館でやるやつと20年やるやつとは天地の差であって、素質にしろ取り組み方にしろ、まるで別のレベルの芸なんだから。
出典 こんな時代に誰がした!
麻原 彰晃さんに会って感じたことは、そもそもは非常に宗教から遠い人でね、だから宗教を必死で求めたっていう感じがした。並みの宗教好きよりも宗教を知ろうとする力が強い、相当無理してでもいろんなことをやる。麻原さんは馬鹿じゃないから。仏教の経典に、酷い目に遭えとか、本当に恥ずかしいことを人前にさらけ出さなきゃいけないとか書いてあると、その通りにやっているような気がするんだよ。だから無理がある。苦しそうだもん。
出典 こんな時代に誰がした!
コントの間とかリズム感とかの点でいうと、これは凄いリズム感ででき上がっているっていうギャグがあってさ、その代表的な例が植木等さんの「お呼びでない」ってやつ。パーッと出ていって、パッとシラケやって、「お呼びでない、こりゃまた失礼致しあした」っていうだけなんだけど、その間のとり方がすっごく心地いい、笑いの心地よさなの。(略)植木さんのあの落とし方はタイミング的にも非常にうまい。至芸のひとつ、一生もんだよ。
出典 こんな時代に誰がした!
お笑いの世界ではエンタツ・アチャコだね。なんといっても近代漫才の祖だから。ステージに燕尾服着て現れて、完全に話だけの漫才をやったのは、あの人たちが初めてだもの。
出典 おまえの不幸には、訳がある!―たけしの上級賢者学講座
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