戦後70年が経った今、日本の敗戦が日本以外の国でいかに捉えられているのかを示す象徴的な事があった。6月29日、午後3時から外国人記者クラブで行なわれた日本大学名誉教授の百地章氏と駒澤大学名誉教授の西...
中国に実質上の宣戦布告された日本。マスゴミが報じない憲法9条改正反対論者の嘘
8/16日に尖閣に民兵を送り込むと実質上の宣戦布告をした中国。安倍政権発足から8年。発足当時から憲法9条改正を目標に掲げてきたのになぜこうなるまで改正できなかったのか?
日本は敵国条項に当てはまっている存在である。
敵国条項とは、国連憲章第53条、第77条1項b、第107条に規定されている。その内容を端的に言えば、第二次大戦中に連合国の敵国であった国が、戦争の結果確定した事項に反したり、侵略政策を再現する行動等を起こした場合、国際連合加盟国や地域安全保障機構は、安保理の許可がなくとも当該国に対して軍事制裁を科すことができる、としている。
つまり、あらゆる紛争を国連に預けることを規定した、先の国連憲章51条の規定には縛られず、敵国条項に該当する国が起こした紛争に対して、自由に軍事制裁を課する事が容認されるのである。さらに言えば、これらの条文は敵国が敵国でなくなる状態について言及していない。
日本は多額を負担しながら、敵国条項が存在する状態に抗議を続け、1995年の第50回国連総会では憲章特別委員会による旧敵国条項の改正削除が賛成155、反対0、棄権3で採択され、同条項の削除が正式に約束された。
しかし、憲章改正には安保理常任理事会5カ国を含む加盟国3分の2以上に批准されたうえでの発行となっており、これらの国が批准するかどうかは各国の自由である。敵国条項は死文化しているとして、敗戦国とされた日本、ドイツなどの国以外にはあまり関心を持たれず、実際の国連活動には支障がないとされているが、昨今の事情はこのような見方を許さなくなってきている。
戦後70年をファシスト日本に勝利した戦勝記念として大々的にアピールする中国の存在がそれである。事実、中国は国連の場で尖閣諸島を巡る問題に関して「第二次大戦の敗戦国が戦勝国中国の領土を占領するなどもってのほかだ」(2012年9月27日)と日本を名指しで非難しているのだ。
つまり中国は、国連の場で暗に敵国条項を意識した発言を行ったわけである。スプラトリー諸島の埋め立ての例を挙げるまでもなく、東シナ海での尖閣に対する領海侵犯、さらには勝手に防空識別圏を設定するなど、国際海洋法などの国際法をことごとく無視してきた中国が、70年前の条文を案に持ち出してきた。
1945年の終戦当時、成立もしていなかった中華人民共和国が国連敵国条項を持ち出して、自らを戦勝国と位置付けるカードとして使っているわけだ。事実上は死文化していると言われていても、敵国条項は未だに削除されていない。
日本は敵国であるがゆえに、戦争はもとより国際紛争を解決する手段としての武力行使は認められていない。日本国憲法でもそのための明文規定である第9条が存在している。日本が敵国であるままで、集団的自衛権行使容認の解釈変更を閣議決定して、平和維持活動(PKO)の枠を超えて多国籍軍に参加したり、あるいは国連平和維持軍(PKF)に参加したりすることは、論理上は真っ向から敵国条項に衝突することになる。
このような論理を持ち出してくる中国は、国連の場において戦勝国の資格のない自己矛盾もお構いなく、日本国家の選択肢を狭めようとするばかりでなく、国連安保理の常任理事国である限り、いつでも敵国条項を持ち出して、日本の安保理常任理事国就任の道を閉ざす口実になるのである。
いったい敵国はどのように定義されているのか。敵国とは1945年4月サンフランシスコで開かれた連合国の会議で、連合国憲章が完成したことに由来している。
国際連合の英語名UNITED NATIONSは、戦時同盟国と同じであり、そこには連合国の団結を戦後も維持し、「米国方式」での国際秩序維持を図るとの発想があったのである。従ってサンフランシスコ会議で憲章に署名した米国、イギリス、フランス、ソ連、中華民国を含むUNITED NATIONSの原加盟国51カ国、すなわち第2次世界大戦で連合国に敵対していた国が敵対国となる。
戦勝国とは1945年のUNITED NATIONS憲章成立時に署名した国に限定されることになり、この時国家として存在さえしていなかった中華人民共和国と韓国・北朝鮮は戦勝国としての資格を持っていないことになるのだ。
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