「笑う門には福来る」……この言葉はかなり言い古されたものですが、まさに“言い得て妙”な表現であるということをご存知でしたでしょうか。
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実は今、“笑う”という行為が再び科学の世界で注目を集めています。
イギリスにあるニューサウスウェールズ大学の研究者が、「笑うことは、高齢者認知症患者のための、副作用のない最高の特効薬であるかもしれない」と、科学的根拠をもとに発表したのです。
イギリスのニュースサイトMail Onlineの記事によると、笑いと認知症の研究は、3年間に渡って特別養護老人ホーム36ヶ所、400人の入所者を対象に行われたもの。
『ユーモアセラピスト』と呼ばれる笑い療法を専門に行うセラピストの訪問を定期的に受けた被験者200人は、通常の治療を受けた被験者200人に比べ、なんと20%もアジテーションレベル(認知症による興奮状態)が下がったといいます。
ユーモアセラピーの内容は、ゲームやジョークを飛ばす、歌を唄うなどの行為で、セラピストの服装も鮮やかなブルーのジャケットを羽織り、ウクレレを持って演奏するなど、趣向を凝らしたものでした。
その結果、笑いを生み出し、笑いが抗精神病薬の代替になり得ることを証明したのです。
ちなみに、認知症の患者だけがこの“笑い”の恩恵を受けたわけではなく、そこで働くスタッフもまた、元気づけられ、仕事の効率も上がったという結果もあるそうです。
認知症はほとんどの場合、時間の経過とともに悪化の一途を辿りますが、笑いを患者への治療法に取り入れることで、少しずつでも改善、または病気の進行を遅らせることが出来るのならば、患者を含め彼らを日々サポートするご家族への希望に繋がりますね。
冒頭の「笑う門には福来る」という言葉通り、人間が元来備え持っている、“笑い”という治癒力のパワーを感じずにはいられませんね。