脳梗塞の「梗塞」 とは、「ものが詰まり流れが通じなくなる」という意味。脳梗塞においては血栓と呼ばれる血の固まりが血管をふさいでしまい、そこから先へ血液が流れなくなってしまうのです。すると詰まってしまった先の細胞や組織は、酸素や栄養を運んでもらえず、壊死(部分的に死んでしまうこと)してしまいます。当然脳は大きなダメージを受けることになります。脳梗塞は突然発症し、数分から数時間で急速に症状が進みます。
脳梗塞とは?症状や原因、治療法をご紹介
脳梗塞は症状が重いと命にかかわることもあります。一命を取り留めても体を動かしにくくなるなどの後遺症に悩まされることも。誰でもなりうる脳梗塞という病気について知っておきましょう。
(1)アテローム血栓性梗塞
脳の太い血管の内側にドロドロのコレステロールの固まりができ、そこに血小板が集まって動脈をふさいでしまうもの。
(2)ラクナ梗塞
脳の細い血管に動脈硬化が起こり、詰まってしまうもの。
(3)心原性脳塞栓症
心臓にできた血栓が流れてきて血管をふさいでしまうもの。
出典 脳梗塞を防ぐ生活
日本脳卒中協会では、
1.口がヘン!
2.言葉がヘン!
3.手がヘン!
と3つの「ヘン」な症状が「突然に」現れたら、脳梗塞のサインなので すぐに救急車を呼んで(119番をして)、病院へ行くことを推奨しています。
意識を失って風呂場やトイレで倒れた場合には、注意深く居間に運んで、呼吸がしやすい楽な姿勢で横にして、救急車の到着を待ってください。また、嘔吐があった場合には、吐物で●●することのないように気をつけてください。
出典 脳卒中の警告サイン:すぐに救急車を!-聖マリアンナ医大東横病院脳卒中センター
ふつうの脳梗塞の場合、主な原因は動脈硬化です。肥満や高血圧、脂質異常症などによって動脈硬化が進んだ結果、脳の血管が詰まったり、血栓ができることで脳梗塞が引き起こされます。そのため、高血圧などの生活習慣病が増加し、さらに動脈硬化が悪化しやすい50歳代以降になると、脳梗塞のリスクも高くなります。
それに対して若年性脳梗塞は、動脈硬化以外のさまざまな原因で引き起こされます。その典型ともいえるのが、抗リン脂質抗体症候群や奇異性脳塞栓症、もやもや病などです(※1)。どれもあまり聞きなれない病名ですが、いずれも血栓ができやすくなる病気で、それが脳梗塞の原因となるのです。
タバコの煙に含まれるニコチンは、血管を収縮させ、血圧の上昇や動脈硬化を促進するため、心臓病や脳卒中の大きな原因となっています。また、ニコチンは動脈硬化で狭くなった血管にけいれんを起こし、血液の流れを滞らせ、小さな血の塊を作ります。この塊が重要な血管を詰まらせ、心筋梗塞や脳梗塞、肺塞栓(いわゆるエコノミークラス症候群)などを引き起こします。
注意したいことは、こまめに水分を補給することです。からだが脱水傾向にあるとき、血液は濃縮されてドロドロになり、固まりやくすくなります。つまり、脳血栓による脳梗塞が起きやすくなります。
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