中絶手術は妊娠6週くらいから行うことが可能です。妊娠がわかり始める妊娠4週の頃は、子宮頸管がかたく手術時に開きにくいことや、超音波検査で子宮内の妊娠かどうかの確認がまだできないことから、5週以降に子宮内妊娠が確認できてから行われることが推奨されています。
中絶手術をする前に知っておくべき事
中絶を考えているのなら、いつまで中絶できるのか時期についてしっかり把握しておきましょう。今回は、中絶に適した時期や病院の選び方ついて紹介していきます。
私は中絶が比較的問題なく終了出来るのは妊娠十週まで(妊娠三ヶ月半ば)と考えています。十一週になりますと出血も多く、同じように手術は終了しますが、当然、術者である私の心の負担は大きなものとなり、もう少し早く受診してほしかったなとの感を強く抱きます。
妊娠週数が大きくなればなるほど中絶する際の母体への負担が大きくなるため、実際には「妊娠11~12週目」までが目安だと考えられています。
日本には母体の生命と健康を保護する「母体保護法」という法律があり、人工妊娠中絶は母体保護法に則り各都道府県の医師会が指定する「母体保護法指定医」によって手術が行われます。人工妊娠中絶が可能な時期は、妊娠21週6日までと定められています。
子宮内にスプーンのような器具を入れて搔きだすソウハ法か、器具を使って吸い出す吸引法の2種類あり、患者さんの健康状態に応じて決定されます
11週6日までに行う中絶手術を「初期中絶」と言います。手術の方法は、静脈麻酔をかけて機械的に子宮の中から妊娠の組織を掻き出す掻爬術です。
出産をしたことのない人の場合、子宮の出口である子宮頚管が閉じているので、手術の前に子宮頚管をある程度拡げるための前処置が必要です。手術そのものは5分程度で終わるため、日帰りまたは1泊入院で手術を受けることができます。
ソウハ法と吸引法を比較して意見を述べます。
この二つの方法の手術操作による危険度の差はありません。しかし、吸引法は消毒方法において、器械に一部血液や組織が付着したままになり易く、不潔性・感染性が高いので、日本の多くの医師はソウハ法を行うことが多いようです。
12週0日を過ぎてから行う中絶手術を「中期中絶」と言います。初期中絶とは異なり、薬で陣痛を起こしてお産のように産みおろす方法です。
事前に子宮頚管をしっかり拡げておく必要があるので、初期中絶よりも前処置が大変になります。すぐに陣痛が来れば1日で終わりますが、陣痛がなかなか来ないと2~3日かかることもあります。
出産と違い、中絶手術の場合はとてもデリケートな手術となります。中絶手術の実績があり、中絶前後の心と体のケアも十分にしてくれる、専門性の高いクリニックにおまかせしたいです。
中期中絶は分娩と同じ手術が必要で入院が必要となるのでお産の設備のない病院では手術ができません。また、色々な手続きも必要となるので、クリニックによっては受けていないところがあります。日帰りできる手術といっても、万が一のことを考えて、やはり入院設備のあるクリニックにお願いしたほうが安全で安心です。
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