「イボ」は、皮膚から盛り上がっている小さなできもの一般を指す俗語です。ですから、患者さんが「イボができた」と言って受診されるものの中には、私達皮膚科医から見ると、実に様々の異なる皮膚病(多くは皮膚の腫瘍です)が含まれています。
イボができたかも?と思ったら見るまとめ
気が付いたら皮膚にできものがあって、イボかな?と思うこともあるでしょう。イボとはどんな病気なのか、どんなふうに治すのか解説していきます。イボのようなできものが現れたらチェックしてみましょう。
最も普通の「イボ」は「ウイルスが感染してできるイボ」で、専門用語でウイルス性疣贅と呼ばれるものです
できものの一種であるイボですが、実は発症原因によって種類が異なるのです。
大きく分けて以下の2種類があります。
ウイルス性イボ
老人性イボ
イボとはウイルス感染による皮膚病のため、自宅で治すことは難しくなっています。
原因となるウイルスには、「ヒトパピローマウイルス」や「モルシボックスウイルス」などがあります。
抵抗力の弱い子供に出来ることが多いですが、大人に出来ることもあります。足底部などで体重がかかる場所に出来たものは、イボが深く食い込んでしまい難治性となることも多いです。
手足や顔面、陰部などにザラザラした角化を伴う黒いプツプツを伴皮膚科 ウイルス性いぼ 足 写真う“しこり“として自覚することが多いです
イボができてしまったら病院での治療が必要なのでしょうか?
イボは一種の感染症なので、治療しなくても免疫の力で自然に治ることがあります。
ある資料では、2年以内に65%から78%が自然治癒するとされています。
しかし逆に言えば、治療しなければ2年たっても2割の人のイボは治らないことになります。
放置することで、さらにイボが増えたり、周囲の人に無自覚にウイルスをうつし続けることになるのです。
自宅でイボをケアする方法として、杏仁オイルによるお手入れ方法があります。
杏仁オイルは人の皮脂の成分と近く、硬く角質化した皮ふを柔らかくする効果があります。老人性イボ・脂漏性角化症などのイボ・ぶつぶつに有効的。保湿・うるおいなどの面からイボにアプローチするため、乾燥肌、加齢による肌トラブルといった、美容目的としても使えるアイテム。
中国では昔から「美肌やイボ治療に効果のある漢方薬」として杏仁オイルが珍重されており、滋養強壮に効く料理の材料としても使われてきました。
市販されているイボ対策化粧品にも杏仁オイルが配合されていることが多く、杏仁オイルは「ヨクイニンエキス」と並ぶ二大イボ改善成分として脚光を浴びています。
市販薬ではヨクイニンが配合されたものが売られています。
ヨクイニンエキスが配合された薬で人気の市販薬だと『イボコロリ内服錠』と『ヨクイニン錠』があります。
イボコロリであれば1箱に160粒入っており、6錠を1日3回摂取なので約10日分の量で2000円程となります。そのため、1ヶ月分だと3箱で6000円です。ヨクイニン配合の老人性イボ用の化粧費だと2000円弱からあります。
ヨクイニンは、ハトムギの皮を取り除いて、その残った種から出来たものです。 漢方薬では肌の新陳代謝を促す働きがあることでも知られています。
イボはウイルス性の病気のため、自分でまわりに感染させてしまい、患部が広がる恐れがあります。
最初のうちは小さかったイボも、感染した局所でイボのウイルスが増殖を続け周囲の角化細胞に感染を拡げて行くため、徐々に大きさが増してきます。やがて離れた場所にも飛び火して、イボの数は増加して行きます。
イボは小さく、数が少ないうちは比較的短期間で治癒させることができますが、大型のものや多発したものは難治性となり、他人への感染源としても問題になります。できるだけ早期に、きちんと治したほうが良いでしょう。
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