妻のりょうとは結婚して3年、幸せな夫婦生活はある日を境に一変する。取引先で雑誌の編集者・浅野さんに不意に見せた妻の写真を気に入られ、下着モデルを説得するよう頼まれる。断り切れない僕は話を聞くだけ...
結婚前は熱に浮かされたように求め合っていたのに、今やすっかり落ち着いた関係になってしまった。夫婦生活で夫の熱量が減ったと感じるたびに孤独感は増していく。涎を垂らし、淫語を囁き、腰を振る。もう夫の前では出すことができなくなった淫らな自分をどこかで解放したかった。そうしなければ女として終わってしまう。焦燥感に駆り立てられてマッチングアプリに手を出した。今では見知らぬ男に抱かれている時だけが本当の自分でいられる時間と感じている。
共働きの妻を見送った後、ひとり自宅でリモートワークをしている俺。昼飯買いにコンビニ行ったり、気分転換にちょっと外に出たりする時、ちょくちょくエレベーターで顔を合わせる女性がいた。……どこか寂し気な感じがする横顔。日を追うごとに俺は彼女の事が気になり始めていた。
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