思春期が始まるのは女子の方が早い
女子の性成熟の研究
子供たちは小学校の高学年になると少しずつ大人へと変わっていきます。女子は否応なく初潮を経験することになり、事前に教育を受けていても、「驚いた」「不安だった」「恥ずかしかった」と動揺する子もいます。
nangoku さん
ヒトは第一次性徴では性器以外に大きな外形的性差は無く生殖能力も無いが、第二次性徴以降で性器を中心として外形的性差が明らかになり、生殖能力を持つようになる。男性は比較的大柄で肩幅が広く筋肉が多くがっちりとした体を持ち髭が生え変声するようになり、女性は比較的小柄で膨らんだ乳房、くびれたウエスト、小柄な割に大きなヒップを持ち皮下脂肪が多い体を持つようになる。
平均して9歳9ヶ月頃に女子は思春期に入り、乳房の発達が始まって同年代の男子と外形的性差が生じ始める。10.88歳頃には女子は身長のピーク成長率を迎え、同年代の男子より平均身長が高くなる。初経(平均12.24歳頃)を挟む前後1年間は女子の体型が急激に変化し、同年代の男子と外形的性差が急激に広がる。
平均して11歳6ヶ月頃に男子も思春期を迎え、同年代の男女間でさらに外形的性差が広がっていく。13歳頃に男子は身長のピーク成長率を迎え、平均身長が女子を上回るようになる。これを過ぎると変声により、同年代の女子とは声の高さが異なるようになる。
1.乳房の発達(ここから初潮の1年前までは乳房の成長のTannerの第2段階(成長STEP1。大人への体型の変化し始めでまだ子供の体型に近い))
2.女性器の発達
3.陰毛の発生(乳房の成長のTannerの第3段階から第4段階の間で発生する関係で順序がこれより後になる場合もある)
4.初潮の発生(初潮の前後1年間の乳房は乳房の成長のTannerの第3段階(成長STEP2)、初潮の前後1年間は急激に体型が変化する)
5.腋毛の発生
6.皮下脂肪の増大
7.おなかがまっすぐになり、骨盤が発達し、ヒップがふっくらと膨らんで丸みを帯びていく(初潮の前後1年間に発生)
8.ウエストにくびれが形成され、ヒップから殿溝にかけてボリュームが生じる(初潮の1年後以降に発生、その頃の乳房は乳房の成長のTannerの第4段階(成長STEP3。大人の体型に近くなる))
9.変声の発生(男性ほど著明ではない)
10.顔面の変化
11.体臭の発生
第二次性徴の詳細
出典 第二次性徴
乳房
10歳頃にエストロゲンの作用で乳頭が突起し、年齢とともにエストロゲンとプロゲステロンの作用で腺胞小葉系の細胞が増殖することから胸部が隆起します。
性毛
陰毛の発生は男性ホルモンの作用によるもので、乳房の発育開始後半年から2年が一般的です。
腋毛の発生は陰毛よりも遅れて発育します。
卵巣
8~9歳頃から急激に増大します。同時期、卵胞は成熟卵胞に近づき、エストロゲンが産生されますが、まだ排卵は起こりません。
子宮
10歳頃には重量、長さが増大し、思春期が終わる頃には子宮頚部と子宮体部の比は1:3となります。
膣
膣の長さは10歳頃に急激に発育します。エストロゲン分泌により膣はグリコーゲンを産生するとpHが低くなり強酸性となります。
外陰部
恥丘や大陰唇は脂肪が沈着し、丸みを帯びてきます。
早すぎる発育は思春期早発症かも
1. 7歳未満で乳房発育をみる。
2. 8歳未満で陰毛発生,小陰唇色素沈着などの外陰部早熟,或いは腋毛発生をみる。
3. 9歳未満で初経をみる。
性器が厚みを帯び、膣粘膜に襞ができてくる
出典 間宮武 「男と女」
女児の膣粘膜は10歳頃になると襞を生じ、思春期に入るとホルモン分泌の活発化に伴い急速に発育する。
出生直後の外性器は過剰発育と充血肥厚が見られ、小陰唇は黒褐色を呈し膣分泌も頚管粘液性のものを分泌している。生後5日目頃から外陰部の肥厚は減退するが10歳頃になると大陰唇や小陰唇が丸みを帯びてくる。以後思春期の進行と共に脂肪が沈着し、大陰唇・小陰唇とも丸味を増して膣前庭を覆うようになる。
膣の長さは小児期でも徐々に発育していくが、10歳頃から著しく発育する。また狭い管膣状だった膣は10歳頃になると次第に粘膜が厚くなり、湿潤し、ピンク色を呈するようになる。初経を経験する頃になると、膣粘膜は更に厚みと湿潤度を増すと共に膣壁と周囲組織の弾力性を増すので、広がりやすくなるし粘膜にも襞が現れる。
恥丘にも脂肪が沈着して厚みを増して思春期には性毛も現れる。
陰裂の位置は下方へ移る
体の発育とともに陰裂は下降する傾向にある。思春期前女児では陰裂が正面からはっきり見えるが、成人女性では陰毛があることも手伝い、陰裂が正面から見えない場合もある。これは妊娠適齢期において、ヒトの特徴である直立姿勢から、胎児の成育や出産に適した陸棲哺乳類本来の体形に近い、骨盤がやや後退した姿勢をとるように筋肉が発達するためと考えられる。
小陰唇の発育が著しいと陰裂からはみ出すことになる
思春期前では小陰唇の陰裂からのはみ出しは極めて希であるが、思春期に大陰唇と小陰唇の発育バランスが崩れ出し、成人女性では顕著なはみ出しが見られる場合がある。こうした状態は、オナニーや性生活の頻度および妊娠・分娩の有無も大きく影響する。
卵巣から女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)が増え、7~11歳ころから乳房の発育が始まる
* 思春期の始まりである7~11歳ころから乳房の発育が始まりますが、これは卵巣からの女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)が増えて乳腺組織の発育が始まるからです。
* まず乳輪が大きくなる、乳輪が少し濃くなる(色素が沈着する)、乳輪の下にこりこりした組織(乳腺組織)ができる、などの順番です。
* 初期の段階では左右の乳房が必ずしも同時に発育するのではないので、片方だけがこりこりとして痛みがあることもあるので心配することはないのです。その後乳腺が発育していきますが個人差が大きいのです。
* 18歳ころには成人型となり、ほぼ左右均等になりますが、どちらかいえば左がやや大きいことが多いです。
13歳ごろになると乳房は円盤状の隆起となり、乳輪の拡大と乳頭の隆起が目立ってくる
女子の乳房は性ホルモンの分泌がみられる小学校低学年から発育が始まります。思春期の13歳ごろになると、乳房はおもに卵巣から分泌されるエストロゲンの刺激により、円盤状の隆起となり、乳輪の拡大と、乳頭の隆起が目立ってきます。
月経が始まると、卵胞期のエストロゲン、黄体期のプロゲステロンの共同作用により、乳房全体の輪郭、かたさ、小葉・腺房組織がしだいに形成され、乳頭、乳輪の色素沈着もみられるようになってきます。
さらに、この2つのホルモンによる乳房末梢部の発達により、乳房は緊満状態になり、成熟した乳房が形成され、乳輪の隆起は目立たなくなります。
1度 思春期前 乳頭のみ突出
2度 蕾の時期 乳房,乳頭がややふくらみ,乳頭輪径が拡大
3度 乳房,乳頭輪は更にふくらみを増すが,両者は同一平面上にある
4度 乳頭,乳頭輪が乳房の上に第二の隆起を作る
5度 成人型,乳頭のみ突出して乳房,乳頭輪は同一平面となる
女児の二次性徴は乳房発育,陰毛,月経発来の順に出現するが,これらの成熟度の相互関係は個人差が大きい。
日本人では乳房発育3-4度で陰毛発育が見られるようになり,陰毛2-3度に達するころに月経発来を認めることが多い。
乳房発育は左右同時ではなく,数カ月のずれをもって片側性に出現することもある。
一見して乳房腫大がわかり,乳房辺縁と胸部の境界が不明瞭な時期をTanner 3度としている。
乳頭径は1,2度の間は3-4 mm位で拡大せず,3-5度にかけて4-9mmに拡大する。
乳房の大きさは個人差が大きいが,乳頭輪の二次隆起が出現すればTanner 4度となる。
初潮とは
生まれて初めての月経を初潮(しょちょう)、または初経(しょけい)と言う。古くは「初花(はつはな)」とも言われた。
年齢初潮の数ヶ月前から透明又は白色の帯下の増加が見られるようになった後、初潮が発生する。初潮の平均年齢は12.24±0.93歳で、大部分は年齢で10歳から15歳の間、陰毛が発育し始めてから一定後(Tannerの分類で2-3度)、身長の伸びが低くなり始めた頃に発生することが多い。
9歳未満は思春期早発症。10歳未満は早発月経と言われ、低身長の原因になる恐れがある。
16歳以上は遅発月経と言われ、いつまでも発来がないままだと無月経症になる恐れがある。
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